―宝塚歌劇との出会いについて教えてください。
小学校6年生の時にテレビで“ベルサイユのばら2001”を見たのが初めてです。見た瞬間から、オスカル役をしていた彩輝なおさんのファンになり、ご本人に会いたいという気持ちが入団の動機だったように思います(笑)。
実際に劇場で観たのは、中学入学前の春休みで、星組公演『プラハの春』と『LUCKY STAR!』です。『プラハの春』は少し難しく宝塚にはいろんな作品があるんだなと思いましたが、ショーでは初舞台生のお披露目があり、すごく感動したのを覚えています。
―話題作の『ルパン三世』、お客様の反応はいかがですか?
初日の幕開きで『ルパン三世』のテーマ曲が流れた時、なんと客席から自然に手拍子が湧き起こったんです。有名な作品だということを改めて実感しました。客席に男性のお客様をよくお見かけし『ルパン三世』のアニメのファンの方がお越しいただいていると実感しますが、これまで宝塚をご覧になったことのない方にも、とても親しみやすい作品になっていると思います。
アニメの『ルパン三世』と宝塚歌劇の融合ということが話題になりましたが、『ベルサイユのばら』のマリー・アントワネットがヒロインという設定で、演じていても異色の世界が見事にコラボしていると感じます。また、私の周りでも「すごく面白かった」との声を聞きますので、アニメファンの方にもきっとお喜びいただけるのではないかと思います。
―お芝居のご自身の役について教えてください。
私は、ルパン一味の次元大介を演じています。
役づくりについては、アニメのイメージを大切にしながらも、生身の人間が舞台で演じる次元の良さが出ればいいなと思っています。
ひげもかつらも綺麗な印象のものではなく、あえて艶のないクセ毛っぽい味を追求しました。
宝塚でたばこをくわえ続ける役もそうはないと思うのですが、吸い方も持ち方もアニメの場面を彷彿としていただけるようこだわってやっています。
―新生雪組はどんな雰囲気ですか?
明るく元気いっぱいな感じです。新トップの早霧さんは、本当にルパン3世のように明るくパワフルで、少しお茶目で素敵なトップさんです。
どこから出てくるんだろうというくらいアドリブも満載で、ご一緒していてすごく楽しいですし勉強になります。
お披露目公演なのですが、この公演で退団される方や組替えで来られた方もおられ、今だからこそ実現できたコンビネーションという一面もあります。
この貴重な公演を私も大切に演じたいですし、見逃していただきたくないと思います。
早霧さんと咲妃さんを中心とした新生雪組のお披露目公演、雪組の戦力となり精一杯頑張ろうという気持ちで一杯です。
―元気の源は何でしょうか?
良く食べて良く眠ることかな。美味しいものを食べるのが大好きで、最近感動したのは、“龍の瞳”という銘柄のお米です。
美味しいからといただいたのですが、それと時を同じくしてお店で食べた絶品ごはんが、偶然にも“龍の瞳”だったのです。普通のお米の1.5倍ほど大きい粒なので、炊き方も少し調整したほうがいいかなと工夫中です。
―ごはんがお好きなんですね?
はい、大好きです。おかずだけだと食べられないというか、食事には絶対ごはんが必要です。
ごはんと一緒に食べたいのは、やはりお肉でしょうか。
焼きたての牛タンにさっとレモンをかけたのがあれば最高です。ごはんと牛タンがあればいくらでも食べられます(笑)。食べた後に動きづらくなるほうなので公演中はあまり食べませんが、その分朝と夜にはしっかりいただくようにしています。朝食の定番は、ごはんと納豆です。
納豆はふんわりと柔らかなタイプが好きで、納豆をよくかきまぜてからたれを加えるのがポイントです。
―郷土の懐かしい味などはありますか?
愛媛県の大洲市出身ですが、毎年“いもたき大会”があるんです。里芋、レンコン、人参、とり肉などを一つの鍋で炊く大洲の郷土料理です。
“いもたき大会”は河原で皆で鍋を囲んで食べるんです。たまに“いもたき”が食べたくなります。
母の手料理で好きなのは肉じゃがとお味噌汁で、特に家のお味噌の味が好きです。
愛媛のお味噌は麦みそが多くて、どちらかというと甘口です。
お醤油も色が薄くて甘めですね。
―どんな舞台人になりたいですか?
お客様に素敵と言っていただけてこその男役だと思うので、自分のファン時代の気持ちも忘れずに、見た目の部分でもかっこよく、中身も充実した男役になりたいですね。
私は、自分自身に対して負けず嫌いで、いつまでも満足しない部分があります。
それが自分のバネだと思うので、これからも満足しないでしっかり頑張って、聞いても美しいし、見ても美しいし、そういう舞台人になりたいなと思います。
愛媛県大洲市出身。2007年『シークレット・ハンター』で初舞台。
同年雪組に配属。2010年『ソルフェリーノの夜明け』で新人公演初主演。
2013年までに通算5回、新人公演の主演を務める。
2011年『灼熱の彼方~オデュセウス編~』でバウホール公演初主演。
2014年『パルムの僧院―美しき愛の囚人―』でバウホール公演単独初主演。
